SIMPLE NOTE 小松スタジオ

2023.10.17

【南向きの土地の欠点】設計の考え方と土地を見る視点 その2

【南向きの土地の欠点】設計の考え方と土地を見る視点 その2

こんにちは!

10月17日、今日は「カラオケ文化の日」だそうです。

カラオケって本当に楽しいですよね~!

最近は自分の歌声を精密に評価や採点をしてくれたり、全国の人と歌の点数で競う事もできたりしますね。

最近はまったくカラオケに行けていませんが…汗

若い頃はヒトカラを6時間楽しんでいた マルキ です。

さて、前回に続き、いきなりですが想像してみてください。

あなたの目の前に「間口約16.10m×奥行き約20.30mのきれいな形をした

約98.5坪の南向きの土地(分譲地の一画)」があります。

もし、あなたがこの土地で家を建てなければいけないとしたら、どのような家をご想像されますか…?

ということで今回も前回に引き続き、設計や土地の考え方についてお伝えしていきたいと思います。

前回は北向きで50坪をやや切る土地だったのに対し、

今回は南向きで100坪近くあるいわば前回と正反対のような土地についてお伝えしていくので、

「南向きの土地がいい!」とか「広い土地がいい!」とお考えの方は、

ぜひ最後までご覧いただけたらと思います。


この土地でやってはいけない2つのこと

まずこの土地でやってはいけないのが「こんな広い土地なのに2階建てを建てる」ということです。

平屋を建てたとしても莫大な余白が出来てしまうのに、2階建てなんて建ててしまった時には、

さらに敷地に余白が出来てしまうだけ、ですからね。

仮に1階が20坪の家を建てるとなれば余白が78.5坪も出来るのですが、

そのうちどうしても必要なのが、家の周りの通路分として約10坪、

3台分の駐車場として13.5坪だけだとしたら、(駐車場は1台4.5坪(2.5m×6m))

残りの約55坪はなくても良いと言っても過言じゃありませんからね。

であれば、平屋にすることで敷地の無駄な余白を少なくし、外構工事にかかる負担を少しでも減らした方が

経済的にもそして維持管理の手間的にも絶対に良いですよね?

もっとも、余白を少なくすると言っても、そもそも土地が広すぎるので限界はありますが…。

そのため、個人的にはその地域ならでは…の特別な事情でもない限り(その広さの土地しか売っていない)

こんな広すぎる土地は買わない方がいいと思っています。

具体的には、平屋を建てるにしても最大60坪、

2階建てにしたいなら最大45坪もあれば充分といったところでしょうか。

土地が小さくなれば、外構工事面積が小さくなる分、外構費用は安くなるし、庭の維持管理も楽になるし、

そもそも土地の価格も抑えられるし、固定資産税だって安くなりますからね。


南向きの土地の欠点

2つ目の「やってはいけない」ことは南向きならでは、のことですが、

「日当たりが良いからといって南向きの部屋に拘らない」ということです。

というのも、この土地は分譲地の一画であり奥に何軒か家が建つことになるため、

常時、家の前の道を奥の家の方が通ることになるからです。

つまり、南向きの部屋をつくり南向きの窓をつくったとしても、

見られている感が否めないことからカーテンが開けられない家になり、

思っていたような明るさや開放感を感じにくくなってしまう可能性が高いというわけですね。

また、敷地も広いことから大きなウッドデッキを南につくることも出来ますが、

それもプライバシーが担保されていなければリラックスして使いにくいため、

ほとんど使わないただの飾りになってしまう可能性だって充分考えられます。

そのため、実際暮らし出した時どうなるのかまで想像しながら

間取りを考えるようにしなければいけないんですよね。

もっともこの土地の場合、敷地が広いことから部屋やデッキや庭のプライバシーをガッチリ確保出来そうな

要塞みたいな塀をつくることも出来ますが、

そんなのをつくろうものなら、それだけで200万円以上かかってしまうので、

これはこれで全く現実的な話じゃありませんからね。汗


さいごに

ということで、この土地で家を建てる場合、庭にまでたっぷりと予算がかけられるとしたら、

具体的には外構工事費用に4~500万円ほどかけられるなら全開南向きプランで考えても良いですが、

出来るだけ予算を抑えながら家を建てたいとお考えだとしたら、

「南向きの部屋に拘らない」ようにしていただけたらと思います。

光には「直射光」と「天空光」の2種類があるのですが、直射光だけに頼って設計するのではなく

この2つの光を部屋の用途に応じて上手く使い分けることが

明るく開放的な家をつくる上で最も大切なことなので、これをぜひ覚えておいてくださいね!

あなたの大切な時間を割き、お読み頂きましてありがとうございました!